EMPLOYMENT 採用

アソシエイト×パートナー対談
近岡裕輔(72期)×青山薫(59期)

青山(パートナー/P) 当事務所へ入所を検討されている方の参考になればと思い、本日は近岡さんに色々とお聞きしてみたいと思っています。まず、事務所を選ぶ際に重視していた点があれば、教えてください。

近岡(アソシエイト/A) ロースクールでABLなどの金融関係の授業を受講したのですが、その授業が楽しかったこともあり、多少金融にも興味がありました。当事務所については、当該講義の中で紹介された平成13年の最高裁判例(最判平成13年11月22日 供託金還付請求権確認請求事件)の原告代理人を務めたということで知りました。
その他ちょっとしたご縁もあり、事務所の雰囲気-体育会系の環境で育ったので、「もう体育会系はお腹いっぱい」という想いはありまして-が自分にはマッチしているという点が最大のポイントだったなと思います。

近岡 裕輔

P 「体育会系はお腹いっぱい」だったのですね(笑)。実際に入所してみて、事務所の印象はどうでしたか?大きく印象が変わった点はありますか?

A 入所前後で大きく印象が変わったということはないですね。各自が専門性をもって熱心に取り組んでいるのですが、風通しはよく何でも気軽に聞き合える関係性にあると感じています。業務内容が相当に専門性の高い金融分野であるため、入所当初はこれに慣れるまで時間がかかるという面では結構大変ですが、反面、人間関係など余計なところでストレスがないのはとてもいいなと感じます。
あとは、自分が力を入れていきたい点についての事務所、チーム、先輩や後輩からのサポートは十分に得られる環境にあるなと感じています。

 

P 「自分が力を入れていきたい点についてのサポート」という点、是非深堀りさせてください。具体的に、どういった場面で事務所や他のメンバーからサポートが得られていますか?

A そうですね、個人が描いている将来に向けて望むものがあれば、それをどんどん提供してもらえる環境が整っているなと感じます。例えば、こういった業務をもっとやってみたいといった分野に関する希望については勿論ですが、役所や企業などへの出向希望、あるいは出向せずに、むしろ事務所内で多くの案件に携わりたいといった意向、執筆やセミナーなどを積極的に実施したいといった希望について、でき得る限りその意向等を尊重し、機会提供してもらえていると感じます。前提として、そういった機会を提供できるだけの事務所や先輩方の役所、企業や出版社等とのリレーションがあるということなので、その点はとても恵まれているなと思います。

 

P では、少し話題が変わりますが、同期との関係について聞かせてください。

A 同期とは、業務内容が異なるということもありますが、ライバル関係というよりも「ちょうどいい距離感の仲間」といった関係だなと感じます。ちょうど、同期の2人は役所に出向しています(注:2023年8月現在)が、私自身は敢えて出向は希望せず、事務所内で様々な業務に取り組むことにしています。出向によって分野を絞り、専門性を身に着けることも魅力的ではありますが、私は、多面的な視点で考える力を身に付けたかったので、幅広い分野-ホールセール(事業者向け)金融、リテール(消費者向け)金融に始まり、ジェネラルコーポレートから一般民事事件まで-を取り扱うことができる事務所での業務に集中することを選択しました。

 

P なるほど。各々の領域で頑張っていて、ちょうどいい距離感での関係性構築ができているということですね。他の期の方については、どうですか?

A いいライバル関係で切磋琢磨し合っているように見える期もありますが、基本的にはお互いをフォローし合うような関係性が多いと感じています。この点は、同期の間だけでなく期の近い後輩を積極的にフォローする雰囲気にも繋がっていると思います。

 

P 競争関係というよりは、フォローし合う関係性ということですね。この点については、どう思いますか?

A 当事務所全体の柔らかい雰囲気づくり、分野、チーム、期を超えた協働関係や風通しの良さに繋がっていると思うので、当事務所のよい点の一つだと思います。同じ金融分野といっても、各自に専門・得意とする分野があり、その分野について相談やアドバイスを気軽に求めることができますし、求められれば当然にこれに快く応じるという関係性があります。

 

P 相互の専門性を分かち合っているような関係性ということですね。この点は当事務所の「強み」の一つではあるなと思ったのですが、敢えて課題などはあるでしょうか?

A そうですね、なかなか難しいですが、敢えて課題を挙げるとすれば、「居心地が良すぎる」のは弱みにもなりかねない、といった点でしょうか。みなさん各自の専門・得意分野を磨いていきつつも、自身の取扱分野ではない分野や、法律以外の分野を研さんしたり、外部にもどんどん出ていくことによって、色々な視点を事務所内に持ち込み合う関係性が今後もっと促進されるといいかもしれません。

青山 薫

P 「色々な視点を事務所内に持ち込み合う関係性」、すごくいい観点ですね。ちなみに、近岡さんは現在法科大学院で助教を務めていると思いますが、この取組みも上記関係性に役立ちそうですね。実際に助教を務めてみて、クライアントワークとの接合などで感じることはありますか?

A 講義テーマはその時々で色々なのですが、私自身がその時々で勉強したいテーマ、例えば最近ですと担保法制の動きがあるので、その点を扱ったりしたこともありますし、学生の希望に応じて憲法をテーマにしたこともありました。必ずしも専門分野でないテーマもあるのですが、自分なりに研究・理解したことを学生向けに分かりやすく伝えるコンセプトで取り組んでいることで、後進育成の視点に役立っているなと感じます。

 

P 後進育成というと、現在は所内の後輩育成がメインになりますか?

A そうですね。「司法の底上げ」-自分が研さんを積んで目の前の依頼者ひいては社会全体の役に立つことはもちろん、同じように考え実践できる弁護士を増やすこと-が重要だというのがこれまで私が教わってきたことなのですが、私自身が現在それに貢献できるとすれば、所内での後輩指導・支援だったり、大学院で学生に教えるということかなと思っています。

 

P では、少し話は変わりますが、近岡さんの現在の業務分布としては、どのような感じですか?

A 時期にもよりますが、概ね流動化・証券化などのトランザクション周りの業務が4割くらい、貸金、クレジット、資金決済などのレギュレーション周りの業務が4割くらい、残りが紛争まわりの業務といった分布になっています。
先日は、破産案件にて他の事務所の弁護士と協働して進めることがあり、こうやって多くの分野の業務に携わり経験を積むことで、様々な視点が獲得されていくと感じます。多くの分野を手掛けることは大変なのですが、とてもやり甲斐があると感じています。

 

P クライアントワーク以外では、どのような役割を担っていましたっけ?

A 毎月、所内のナレッジマネジメント及びクライアントへの情報提供のために、金融庁や経産省等の各役所、個人情報保護委員会や最高裁判所などの公開情報を複数メンバーでチェックし、法令等やガイドライン等の改正動向、各種検討ワーキングの状況や判例などを検討し集約する作業を行っているのですが、これを取りまとめる役割を担っています。

 

P 結構大変な作業だと思いますが、その役割を担うことを通じて、どのような気づきなどがありますか?

A 直接的には、行政等の最新動向を全体的に把握することで、社会がどこに関心をもっているのかを感じ取ることができます。注目の動き等があれば、それを依頼者にスピーディーに共有していますので、喜んでいただくことも多いです。あとは、所内の関係でいえば、多くの弁護士を巻き込んで作業する必要があるので、周りを動かすという組織論的な事柄についても身をもって学んでいます。

P 近岡さんの将来像や事務所のビジョンなどにも関連するかもしれませんが、どういう方と一緒に働きたいと思いますか?

A 当事務所の場合、流動化・証券化の黎明期から携わってきたという歴史から、現在も事務所の柱の一つとして当該業務がありますし、金融レギュレーション周りでは、伝統的なものから最先端のものまで取り扱っており、金融ブティックとしての強みは発揮できていると思います。この強みをさらに発揮しつつも、中長期的にはさらに新しい柱を作ることで、法律事務所としての更なる発展を目指しています。 その目標を一緒に目指し、忍耐強く頑張れる向上心のある方々に仲間に加わってもらえると嬉しいです。

P 力強いメッセージをありがとうございます!近岡さん、広報担当に向いてそうですね(笑)