確かな実定法の基礎
我が国の民事法の法体系は、基本法が成文法で演繹的である大陸法、特にドイツ法の系譜に属し、実定法については、確かな法理論である「要件事実論」に基づき解釈と運用がなされています。この点、基本法が判例法であって帰納的な英米法との相違です。
小林明彦弁護士は、1993年から3年半、最高裁判所司法研修所の民事弁護教官室所付として、片岡義広弁護士は、1999年から3年間同司法研修所民事弁護教官として、この要件事実論の技術に磨きをかけ、その後も法科大学院(ロースクール)の教授として更に磨きをかけつつ、今日に至っています。
他のパートナー弁護士も、法科大学院で教鞭を執る等して、この伝統を維持して自己研鑽に努めており、また、原則として毎週1回開催する弁護士会議で、様々な法的問題を弁護士全員で議論し、また、チームでの所内ミーティングで議論する等して、この技能の共有化を図っています。
このような伝統と手法により、確かな実定法(現に実効性のある法規範のことをいいます。)の解釈を基礎としつつ、現実にも即して、様々な法律問題に取り組んでいます。
2018年4月の法人化を機縁に、新たなロゴを作成しました。
そのコンセプトは、上記の沿革から、片岡総合法律事務所の英文名略称として用いてきたK&Kをデザインしたものです。また、このデザインの中に、「KATAOKA」と「KOBAYASHI」の文字も隠されています。
そして、このデザインの外縁は、従前からのロゴ(あまり使用しませんでしたが)のコンセプトであった「確かな実定法の基礎」である六法を示す六角形にしています。
また、ロゴの色が明るい青から濃紺、そして黒っぽいグラデーションにしているのは、次の意味を込めています。すなわち、当事務所の弁護士及び法律事務所が経験と研鑽を重ねることによって、スペシャリストであると同時に、全ての色を吸収する黒色に象徴されるジェネラリストに近づいて行くという目標を示しています。そして、若くてみずみずしい弁護士とベテランの併存とその協働の理念も示そうとしたものです。
企業法務の諸相への対応
片岡義広弁護士は、独立開業当初から、我が国の企業法務の諸相は、「臨床→予防→企画→戦略→政策」の各法務へと発展してきたとの持論を有して、これを実践してきました(注1)。
当事務所もこれを承継し、臨床法務である訴訟に代表される争訟(注2)から、ロビーイングや金融法を中心とした新法・法改正対応、法律案や下位規範の起案まで手掛けています。
このように、「過去→現在→未来」に対応する法務を目指して実践を行っています。
(注1)片岡「社会のソフト化と金融法務」金融法務事情1056号2頁(1984年5月)、同「企業法務の諸相と要件事実」民事要件事実講座5巻(青林書院、2008年6月)。なお、片岡義広弁護士の著作・論文の一覧ご参照。
(注2)小林明彦弁護士を主任とする国税を相手とする将来債権譲渡担保に係る上告審事件で、2007年2月には、2001年11月に引き続き、最高裁で2連続の逆転勝訴判決(平成19年2月15日判決)を得ています。金融法務に与える影響の大きさから、商事法務のNBL誌854号(2007年4月号)で特集も組まれました。
チームによる対応
当事務所では、①責任パートナー、②中堅弁護士、③若手弁護士の3者がチームを組んで案件に取り組むことを原則とし、この3者のいずれかが主任を担当します。
責任パートナー自らが主任となって手を動かすこともあれば、また、②の中堅弁護士がパートナー弁護士であることもあります。また、このチームは、チーム以外の弁護士に適宜専門的知見を求めることもあれば、論点によっては、毎週1回開催される弁護士全員による弁護士会議での議論を求めることもあります。
このように、先輩弁護士の知見と若手弁護士の活力とを合わせ、かつ、法律事務所全体の知見を総合して活用することにより、迅速に高品質なサービスを提供するように心掛けています。